糖尿病から生じる狭心症のリスク

糖尿病を発症すると高血糖の状態が続くことで、血管への様々な合併症が起こります。
毛細血管に障害が起こると、毛細血管が破壊されてしまうことでその血管からの栄養供給が行われなくなり、破壊された毛細血管がある部位の組織が死んでしまうという合併症が起こります。

こういった症状が起こるのが糖尿病神経障害といわれるものです。
主に足の先に神経障害が起こり、痛みを感じない状態になってしまいます。
痛みを感じないために足の怪我などに気付かず、傷が悪化して壊死を起こしてしまうことがあります。
ほかに腎臓の毛細血管が破壊される糖尿病腎症や、目の障害が起こることがあります。

太く大きな血管に起こる合併症の場合には毛細血管とは違っていて、血管の内腔が狭くなり血管の壁が硬くなるという動脈硬化の症状を引き起こします。
血液中の糖分の量が多いことで血液の粘度が上がり、血管の壁に糖分が付着しやすくなり、脂質異常症を併発している場合には糖分だけでなく、脂肪分も血管壁に付着しやすくなります。
その結果、血管の壁に付着物が増えていき、血管の内腔が徐々に狭くなっていきます。

血管が狭くなることで血液の流れが悪くなり、組織が必要としている栄養を十分に運べなくなると、その組織が正常に働かなくなり症状が出るようになります。
心臓に栄養を送る冠動脈でそういったことが起こる時に狭心症を発症します。
糖尿病になると血液の糖分が増えるために狭心症のリスクが高まるというのはこういった仕組みになっています。

他に狭心症を起こすリスクを高めるものとしては喫煙があります。
喫煙した時にはニコチンが体内に入ることで血管を収縮させる作用が働きます。
血管が収縮すると、血管が細くなった分だけ血液が流れにくくなります。
そのため通常の状態よりも喫煙をしている時のほうが心臓への血液の流れが悪くなり、狭心症の症状が出やすくなります。

狭心症のリスクが高まるものは他にも高血圧があります。
高血圧になることで血管の壁に常に負荷がかかり続けて、血管壁が硬くなっていきます。
その結果血管が広がりにくくなることで血液の流れが悪くなり、狭心症の症状が出る可能性が高くなります。

狭心症と心筋梗塞の違いわかりますか?

狭心症と似ている病気に心筋梗塞がありますが、このふたつの病気には大きな違いがあります。
狭心症は心臓へ栄養を送る血液の流れが悪くなっている時に起こるもので、完全に血流が途絶えてはいない状態です。
そのため狭心症の発作が起こった時に、息切れなどがあっても痛みを感じないことがあります。

これに対して心筋梗塞は完全に血液の流れが遮断されてしまい、細胞への血液が止まってしまっているために痛みを感じないということはほぼありません。
心筋梗塞が起こった時には非常に強い痛みを感じ、他にも冷や汗が出たり意識を失うこともあるなどの強い症状がでます。

狭心症は発作が起きた時には胸の苦しさを感じますが、発作がおさまると通常の状態に戻ります。
それは一時的に血流が悪くなっている時だけに症状が起こるからであり、心筋梗塞のように完全に血管が詰まってしまうと症状は元には戻りません。

こういった心臓病にかかるリスクは加齢と共に高まります。
年齢を重ねると血管が硬くなりやすく、高血圧になる可能性が高まることで血管の状態を健康的に保つことが難しくなるからです。
さらに糖尿病や脂質異常症を併発している場合には、心臓病を起こすリスクがますます高くなります。
どんな人でも加齢による症状は起こりますが、糖尿病や高脂質血症を併発しないように気をつけることが重要です。

そして、心筋梗塞を起こす前には狭心症の症状が出ることがほとんどです。
狭心症の症状が出ている時に治療を開始しておけば、心筋梗塞を起こすほどに悪化して命の危険が出ることを予防できます。
もしも狭心症かもしれないと思った時には早めに病院を受診するようにしましょう。
特に糖尿病がある場合には発症リスクが高くなるので気をつけましょう。